化学物質過敏症って、何?世の中のほとんどの人はこう思っているはず。でも自分が、自分の家族が、子供が、ある日、突然、頭痛や吐き気に襲われたり、せきが止まらなくなったり、体に湿疹ができてかゆくてたまらなくなったり、して、お医者さんに見てもらっても、どこも悪くないといわれてしまう。でも症状がぶり返しているうちに次々と具合の悪いところが増え、とっても不安な毎日を過ごすようになる。家からも出られなくなり、そのうち手さぐりでどうも近所で改築工事でペンキを塗った時に特に具合が悪くなるとか、新築住宅のそばにいたら急に頭痛がして来たとか、新刊書を読んでしばらくしたら全身の力が抜けたようになったり、心臓がバクバクしたり、だんだん原因がこれではないかと勘づくようになる。そして化学物質過敏症という言葉にたどり着き、専門の医者を訪ねるようになって、病名、化学物質過敏症がはっきり提示される。提示されても病気が治るわけではない。体にたまった化学物質を薬の力を使ったり、物理的な力を使ったりして少しずつ減らすと同時に新しい化学物質を体に取り入れないように細心の注意を払い暮らさなければならない。