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ワークショップ・見学会 活動内容

2005年12月4日(日)

林農園 ワークショップのご報告

朝から雪でも降りそうな、冬空。
千葉県佐倉駅から車で15分ほどの田園地帯に林先生のお宅はありました。
周辺はどこも大きな農家の家構え。駅周辺は住宅地になっていますが、もともとは農村地帯だったんですね。

雨が降り出したので、急いで農園を見学。まずは貯蔵庫を見せていただきました。
厚い扉の中は米ぬかの発酵する匂いがしました。その匂いは醤油を醸造している香りでした。大きな木桶の中に、どろりとした、お味噌のような香りの液体がありました。

醤油は好気性菌による発酵で、そのため一日一回掻き混ぜるそうです。なめてみるとお醤油とお味噌の中間のような味がしました。仕込みは昨年3月で、1年経てばもう絞れるそうですが発酵期間は人それぞれ味の好みがあるそうです。

貯蔵庫はこれ以外に、じゃがいもやキウイフルーツを低温で保つものと、サトイモやサツマイモなどを12度に保つ温かいものと、全部で3つありました。

裏に広がる畑は、何種類もの季節の野菜がきれいに数畝ずつ植えられていました。林先生のところで収穫された野菜は、毎週一回、直接個人のお客さんに宅配で届けられる仕組みなので、常に旬の野菜を出荷できるように計画して生産されているそうです。

雨が本降りになってきたので、自前自作の研修棟で林先生のお話を伺いました。
先生が有機農業を始められたのは25年前。代々農業をされていたお家で、お父様の時代にはサツマイモと山芋を輪作されていたそうです。
大学を卒業して就農したものの、農薬を使用する農業に疑問を持ち、3年目に埼玉県小川町の金子美登さんのところで一年間有機農業の研修を受け、実家に戻って有機農業を始められたそうです。以来、25年間有機農業でやってこられました。
1982年から日本有機農業研究会という組織で、それまでは決して他人の手には渡らなかった、農家が代々自家採取して守ってきた種を交換するネットワークを始められました。

このほか、最近問題視されているGM種(遺伝子組み替え)のお話なども伺いました。
千葉では、船積みされていた輸入GM菜種のこぼれ落ちたものが、周辺に
広がり、これを地元の農家の方が歩いて抜いていくという事態が起きています。
人体への影響が明らかにされていないGM種が知らず知らずのうちに、自分の畑の作物と交配することのないように、必死の努力をされているんですね。

奥様が作ってくださったサトイモたっぷりのお味噌汁をいただきながら昼食を食べた後は、ハウスの中でピーナツの鞘とり。からからと鈴のようになるピーナツの鞘を外していく作業はなかなか面白いものでした。
その代わり、みんな土ぼこりで鼻の中まで真っ黒になってしまいましたが。
日本のピーナツの生産量の8割は千葉県で生産されているとのこと。特に千葉県北部が生産量が多いそうです。

作業後は、研修棟で再びお話を伺い、さきほどのピーナツやキウイフルーツ、ストーブの上でおいしく焼きあがった林先生のサツマイモをいただいて解散。
お土産には、採れたての卵や、鶴首かぼちゃなど新鮮なお野菜をいただいて帰りました。

雨のために、見学できなかった部分もありましたが、とても内容の濃い見学会でした。
ごぼうを掘っていたら縄文土器も出てきたほどの歴史のある土地でできた野菜を食べた感想は、おいしい以外にありませんでした。

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