<<ホームへ
<<活動履歴目次へもどる
<<2004年目次へもどる
 

北軽井沢プロジェクトのワークショップ 活動内容

2004年10月2日〜3日 第七回ワークショップのご報告

ワークショップに参加された皆さまおつかれさまでした
今回の内容は竹小舞編み、木摺り張りと土壁塗りでした。

今回のワークショップの参加者は総勢20名。
ご指導下さったのはテクノプランの佐藤先生と左官職人の野村さん、竹小舞士の関さんです。そして現場で作業中の大工さんたちには、お仕事中お邪魔することとなりましたが、みなさん快く協力してくださいました。


1日目は晴のち曇り、夜は雨。
作業量が多いためいつもより早めの9:00集合で、午前も午後もしっかり活動できました。作業後は温泉で体を癒し、料理隊による有機野菜たっぷりのおいしい夕食&宴会。これがあるからワークショップはやめられませんね。
2日目は土砂降りで寒かったですが、屋根のある母家での作業ですから比較的影響を受けずに済みました。しかし土運びの担当は雨の中大変でした。

■竹小舞組みと木摺り張り

母家は伝統的な真壁(柱が見える仕上げ)、竹小舞と木摺りはともにその下地となります。

木摺りは7.5ミリ厚・30ミリ巾の杉材を9ミリの隙間をあけて、タッカー(大きなホチキス)で柱間にヨコに張っていきます。材料は大工さんに切っていただき、タッカーの勢いに驚きましたが、慣れればどんどん打てるので以外と楽で、リズミカルに作業は進みました。


竹小舞は、とても伝統的な手法。柱間に2箇所、直径12ミリの丸竹を柱の中心に開けた穴にヨコに差し込み、割竹を隙間20ミリでタテにして丸竹にシュロ縄で結っていきます。
さらにヨコに隙間20ミリごとに割竹を交差させるように並べ、中心のタテの割竹にシュロ縄で結い、300ミリ間隔でさらに結い固定します。

はじめは難しく感じましたが、シンプルで効率の良いやり方をだんだん覚えて楽しく作業ができ、その仕上がりの美しさに感心しました。
ただ、下地ですからあっという間に壁土に埋もれて行ってしまうのがなんとも残念な気持ちでした。

現在では左官の下地として簡易なラスボードなどが使われることが多く、小舞士の関さんも実際に竹小舞を編むのは40年ぶりだったそうです。
ですが細かい部分を口で説明するのは難しくても体が覚えていると仰っていたことに驚き、そして参加者に丁寧に教えて下さる姿がとても印象的でした。

■土壁

5月に荒木田にわらをいれて仕込んだ壁土のもとをドラム缶に入れ、野村左官さんがわらすさを鋤き込みながらミキサーで撹拌して調整し、壁土をつくります。 ちゃんと使える状態でひと安心。

これをバケツで建物内の舟に運び入れ、コテ台に壁土を盛って、コテで壁に塗りつけます。今回の壁土は粘性が強いので、コテののりがよく比較的楽に塗れます。ゆるいとドローッと下がってしまうので。ピザ釜の時は大変でした。
とはいえ水を含んだ土は本当に重い!そして平滑に均等に土を塗るのはとても大変でコツが中々掴めません。そのうちコテ台を持つ腕もコテを使う腕もブルブル痙攣ぎみ…
後日筋肉痛が訪れたのは言うまでもなく。

参加者がある程度塗り終えた後、仕上げは野村左官さんが魔法のように平らにならしてくださいました。まさに職人技です。

木舞に荒壁を塗るには裏と表があり貫の上に竹を組むのが裏になります。竹がタテ横に見える側が裏、すなわち外部になります。
土壁は貫の見える表から塗り込み、裏を押さえて中塗りを塗ります。貫はシックイで貫ぶせをしてシュロ皮をはりクラックがおきないようにします。 北軽井沢はこれから急激に冷え込むので年内の作業は今回が最後になります。土壁が乾く前に霜が降りてしまうと壁が駄目になってしまうのです。

今回の準備は野村左官さんと佐藤先生に助けていただき荒木田、わらを用意しましたが、荒木田もわらも大量に余ってしまいました。左官仕事は仕上げや色やテクスチャーが現場で決まることが多く、なかなか予定通りには行かないものです。
今回も用意した土が元々粘性が高い荒木田なので仕込みでワラスサを入れる事はないと野村さんは仰る。しかし他の左官屋さんはやはりスサをいれて寝かせたほうが良いと。
左官に決まりは無いのです。


木や竹や土という身近な自然素材でつくる住まいは本当に安らげる空間になりそうで、完成が待ち遠しいです。
そして、自分たちの手で建物がどんどん形になっていくことに大きな充実感を感じられました。
という訳で今回も楽しく有意義なワークショップとなりました。

 

▲ページ上部へ