ヒマラヤスギ
(別名ヒマラヤシーダー、マツ科。インドヒマラヤの温帯域原産。植栽分布は本州、四国、九州)
ヒマラヤスギは、一般的には住宅の庭で使うことが稀な樹木である。生長が早く、元来大木となって雄大な樹形をその特色とするため、庭木として使いにくいことがその理由である。しかし、大正から昭和初期においては、洋風住宅の庭に植栽されていた例は多く見られ、現在でも戦前に建てられた住宅の玄関前や庭に大木となって残っているのを時折見ることができる。玄関脇に洋間の応接室などを持つ、文化住宅に似合う洋風のイメージを表現する樹木として、当時流行のように植栽されたものである。
生垣としては萌芽力が強く刈り込みにも耐え、生長が早いことから、高生垣として利用されているのを見る。やや青味を帯びた、明るく細密な葉は洋風の建物によく似合う。 |