イヌツゲ
(モチノキ科。ツゲ科のツゲ〔ホンツゲともいう〕 に似ているが、イヌツゲは葉が互生しているので対生するツゲとは区別できる。植栽分布は全国におよぶ。)
イヌツゲは環境適応力がきわめて強く、日照の多少や土の乾湿にも耐えるとともに、耐寒性、耐潮性、耐煙性も持つため生垣材として各地の多くの庭で使われている。萌芽力が強いことから一般的な生垣の他、玉づくりやトピアリーとしても利用されるなど、生垣以外にも利用される。
大正から昭和初期にかけて開発された郊外住宅地にも、生垣やサツキやドウダンツツジなどと共に刈込まれた玉づくり垣などに使われ、現在でもその名残りを見ることがある。
樹木のイメージとしては一般的には和風の印象が強いが、イギリスでもツゲの生垣はよく使われており、洋風の庭に利用しても違和感はない。むしろ背景の生垣の前に何を設けるかによって、和風、洋風いずれにも表現することのできる応用範囲の広さを特徴とする。 |