疋田団員の記
今回は、鎌倉の風情のある街並と自然を、地元にお住まいの兼松さん、渡辺さんにご案内していただきました。北鎌倉の魅力を満喫!自然に癒されて…。その素敵な街並や自然が、危機にさらされている現実についてもお話をうかがうことができて、とても充実した観察会となりました。ありがとうございました!
観察会のコースは、というと・・・鎌倉駅→兼松さん邸→銭洗弁天→ハイキングコース→浄智寺→(甘味処で休憩♪ビールも)→北鎌倉女史学園南下住宅地→北鎌倉駅
参加者10人で鎌倉駅の賑やかな雑踏を抜け、少し歩くと兼松さんのお宅へ。お庭を拝見させてくださいました。苔むした飛び石が続く、緑の小径を抜けてお庭へ。ひさし付きの木戸をくぐると、昔ながらの趣のある平屋が。芝生が広がり、かわいらしい京鹿の子の花や、涼し気な糸ススキ、木々を抜けて吹く風が心地よい…。
建物もお庭も京都の方がつくったそうで、とても風情のある素敵な空間でした。兼松さん、ありがとうございました!
坂を登って辿り着いた銭洗弁天の前は、木漏れ日さす見事な切り通し。アスファルトの住宅街での暑さが嘘のように、涼し〜い!巳の日はとてもご利益があるそうで、すんごく混雑するそうです。
そして葛原岡・源氏山ハイキングコースへ。木々を抜ける風が心地よく、テイカカズラの雅びな香りをどこからか運んで来ます。木の根や、人が何度も歩くうちに削れた鎌倉石(柔らかい)が自然の階段になっている、とはいえ、筆者はヒヤヒヤものでした。なぜならサンダルで来てしまったから!須永先生に温かく見守られ、無事下山したのでした。
浄智寺には入りませんでしたが、四季折々に咲く花が見どころだそうですヨ。白い紫陽花が多く、清楚でとてもきれいでした。「アルカリが多い土だと白や桃色に、酸性だと青い紫陽花が咲く」(糸島先生)のだそうです。
住宅街は、さすが、北鎌倉!生垣や竹垣、桧皮ぶきの壁などなど、自然な素材を使った古いおうちが多い!風情のある柔かい街並をつくっています。しかし、ところどころに新しいおうちもチラホラ…。兼松さんいわく、昔ながらの古い家が50年くらい経ち、次の代が立替える際、日本家屋が暗くて嫌だ、等の理由から、今までと全く違う洋風の家にすることが多いのだそう。趣のある家並みが途切れる所は、歩きながら見ていて寂しいなあ、と感じました。
よく刈り込まれた、槙(マキ)の生垣が多かったです。住宅街を流れる小川は、山からの「絞り水」(山がろ過した水)で、きれいなので蛍も出るそうです。美味しい地ビール「北鎌倉の恵み」も、この絞り水で作られています。「その山の中腹にある田んぼが、もし続けられず、なくなってしまうと絞り水も影響を受けてダメになってしまうかもしれない。山も田んぼも守りたい、でも難しい問題もある…。」自分の暮らす町の環境を守ろうと活動されている兼松さんのお話を聞いて考えさせられました。渡辺さんも「駅から見える山の景観は保全することになっているが、山の裏側は規制がないので、削られている」とおっしゃってました。
カチカチ山のたぬきじゃあるまいし!!山全体でひとつで生きているのに…。
鎌倉の兼松邸の昭和の庭の門 |
鎌倉の昭和の家 石垣の上にカサギの生垣 |
苔でおおわれた切り通し |
源氏山の麓 |
浄智寺の混ぜ垣 |
浄智寺の庭の門 |
浄智寺のカンチクの生垣 |
浄智寺の紅葉の生垣 |