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広報/プレスリリース

グリーン・アーキテクチュア・トリビューン( 2004.11.10付記事)

新聞「グリーン・アーキテクチュア・トリビューン」に掲載された、NPO法人・緑の家学校についての記事全文です。

NPO法人緑の家学校 社会人向けの学校を展開

NPO法人緑の家学校は、主に社会人を対象に、エコロジカルな暮らしを実現するための実践的な知識や技術を指導する学校を運営しており、個人レベルで行える家づくり、庭づくりの啓蒙を目指している。現在、ワークショップ形式で北軽井沢分校の建設を手がけており、環境に配慮した完全自立型の建築スタイルに注目が集まっている。

家と庭から
環境問題を考える

同会は、建築設計家で、長年環境問題に取り組む現代表の芝氏が中心となり、01年に任意団体として設立、04年9月に東京都の認可を受け、NPO法人に移行している。住まいと身近な緑をより良くするための環境教育事業や調査研究事業を活動の目的としている。

同会が本格的に環境問題に関する教育事業をスタートしたのは03年4月。環境問題に関心を持つ社会人などを対象に「緑の家学校」と称したスクールを開講した。現在、毎週水曜日の夕方から夜にかけて、文京区猿楽町で講座を開いている。1コース7回完結の講座を年間6コース、計42講座を設け、土づくりや植物の育て方、住まいと庭についてなど、それぞれの分野の専門家を招き授業を行っている。

04年度のカリキュラムの一部を紹介すると、8〜9月は「エコガーデンの設計・計画」、10〜11月は「自然エネルギーの利活用」、12〜1月は「植物による空気と水の浄化」となっている。随時、授業関連の見学会やワークショップも行われ、実務に役立つ内容になっているのが特徴だ。

とくに、ガーデンの授業に力を入れており、川崎市麻生区に農園を借り、授業で学んだ知識を活かす場として年間40種類ほどの野菜やハーブを栽培している。

現在の生徒数は30人強で、一級建築士や造園業、インテリア関係など、住まいに関わるプロも少なくない。

「環境問題を解決していくには、まず、生活の基盤である家≠ニ庭≠ゥら見直す必要がある。つまり、自分を取り巻く生活環境も問題点を探り、どう対処していくか、自分に何ができるのかを見つけ出すことから始まる。授業を通じて、持続可能な自然のサイクルを利用し、真に環境に優しい住まいとは何かを学び取ってもらえれば理想」(芝代表)としている。

 

北軽井沢プロジェクト

完全自立型の住まい
目指す

 

同会は現在、群馬県吾妻郡長野原町で北軽井沢分校の建設を進めている。「緑の家学校・北軽井沢プロジェクト」として、2968uの敷地に、6棟のエコ住宅などを建築するもので、環境に負荷を与えない完全自立型の住まいの実験も兼ねている。

写真
北軽井沢プロジェクトでは
地元の子ども達も芝屋根づくりに挑戦

最大の特徴は、金物や合板、集成材を使わない伝統的な木構法に現代的な構造理論(筋交いと金物に頼らず、すべての構造部材が建物を支える)を加えた新構法「新伝統木構法」を採用している点だ。細い材は間伐材を有効活用することで森林保護につなげ、建具は材料を組んで、接着に米のりを活用している。

また、化学物質過敏症の原因とされ、環境ホルモンの疑いのある石油化学製品を極力排除している。

現在建設中の母屋の断熱は緩やかな室内環境を考慮し、断熱気密を過剰に施さず、壁面緑化やパッシブソーラーで補助する試みである。

電気やガス、上下水道に頼らない独立系のエネルギーシステムの構築を目指し、自然エネルギーを徹底的に利用するのも特徴で、太陽光発電、太陽熱温水器、風車、バイオガスプラント、雨水利用設備なども導入する。

さらに、バイオガスプラントの屋根には、ゴム防水シートの上に防根用不織布を敷いて、縦横に胴縁を組み、地元の土壌と野芝を用いて緑化も行っている。

同プロジェクトにおける一連の建築作業は、生徒に加え、一般からの参加も募り、ワークショップ形式で行われている。

今後は、11月末に完成予定の母屋を学校の拠点として利用する計画だが、併せて地元の小中学生や都会の子供たちへの環境教育実習の場としても提供していく考えだ。